月曜日担当の成田です。

先週は動物園の話題だけだったので、今週は実際の学会のことを書きたいと思います。

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今年で65回目を迎える日本矯正歯科学会大会は11年ぶりに札幌で開かれました。なんと今回の大会長は成田の恩賜の飯田順一郎北海道大学教授でした。思えば、成田が卒業した91年に当時の飯田班に所属したのが矯正歯科医としての第一歩でした。大会長というだけあってとても忙しそうでした。今の学会長が指導教授であった東京医科歯科大学教授相馬邦道先生であることを考えると、凄い人に習ってきたんだなあなんて思ったりします。でも、当時はかなり喧嘩もしましたが。




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大会初日の午前中にちょっとした試練が待ち受けていました。いつも患者さんに、とっても良い装置ですよとお薦めしているデーモンシステムの良さを、メーカーのブースで他の矯正歯科医に30分間説明しました。今回清子が発表させて頂いたアンケートの内容や最近雑誌にも取材されたブライダル矯正について実際の症例を説明しました。


ここでは症例は割愛しますが、これだけ短期間で歯が動きしかもこれまでの矯正装置より歯へのダメージが少なく、痛みも少ない装置だということの理論的背景が少しずつですが整ってきたように思います。早く動くと、歯に余計な負担がかかるのではないかと思っているドクターもいらっしゃったようですが、これまでよりも数段弱いワイヤーで歯を動かしているので、これまでよりも早く動くからといって悪影響はありません。なんていう話を30分ほどさせて頂きました。開業以来、医)スマイルデザイン 自由が丘矯正歯科クリニックでは最高の材料を使った最新の技術を提供していくことを心がけています。


昨日、あるセミナーがあり、その後の懇親会で、他の矯正専門医と話をしていて、デーモン3をついつい薦めてしまいました。そういうときに必ず出るのがコストの問題です。デーモンシステムは良く使われている安価なブラケットに比べて3倍くらいのコストがかかります。だから使わないというのではプロとしてはどうかなあと僕自身は思ってしまいます。例えば、同じ鯖でも関鯖なんていうと普通のものに比べて倍以上もします。当然、お店で頂くときの値段にも反映されるわけです。これまでのブラケットに比べて、早く動き、痛みも少ない画期的なブラケットであれば患者さんのメリットは計り知れません。そのコストが従来よりも高いのであれば、その分の治療費を患者さんに負担して頂けばよいのではないかと思います。


自由が丘矯正歯科クリニックでもデーモンシステムでの治療費を考える際に実はかなり悩みました。新しいブラケットはいろんな意味でコストがかかります。実際に日本で最初にこのブラケットを使ったこともあって、原材料費の割合がかなり高かくなりました。様々な試行錯誤を経て、現在のシステムに落ち着き、従来の世界で最高レベルのセラミックブラケットと同じくらいのコストに落ち着いてきました。


こんなことを書くと辛いことばかりのようですが、このブラケットを使い出して、矯正歯科医をやっていて本当によかったなあと思うことが増えました。長年、矯正治療をやっているとある意味、麻痺してくる部分があります。例えば、治療初期に起こる痛みやある程度の治療期間、このあたりは「しょうがない」と思ってしまっていた部分でもあります。しかし、このデーモンシステムに出会って、矯正治療を始めた頃のことを思い出すようになりました。「もっと効果的で、負担が少なくなる装置はないのか」「矯正治療ってかなり痛いね」駆け出しの頃はそんなことに何とか対処できないのだろうか?と思って、矯正治療時に併用すると良い鎮痛剤の処方を研究したり、学会でも新製品のブースにかじりついて、メーカーの人の話を聞いていたりしました。今でも新製品には敏感で、世界中で発表される新しい矯正装置についてはとりあえず買ってみたり、買わないまでも情報は仕入れています。



思いっきり脱線してしまいましたが、そのくらいデーモンシステムの良さに惹かれてるってことですね。


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講演に前後してポスターの発表もしました。62、63回大会で発表した、術前矯正をしないでおこなう外科矯正の方法の最新版を報告してきました。今回の発表でだいたい終わりで、来年もう一症例発表して、久しぶりに論文にでもしようと思っています。とっても長文になってしまいましたが、盛り沢山の学会でした。来年は大阪で開かれるそうです。